
清水焼団地の谷口正典先生の干支のイノシシの置物です。

正典先生の作品は元来、厚い釉薬の二重掛けによる窯変が特徴ですが、今回のような天目と淡桜色の混ざり合ったような色合いは初めて見ました。

正典先生の干支の置物を新年の飾りにと引き合いも多く、また毎年買って頂いているお客様もおられます。

イノシシの背中を拡大してみました。他よりもピンク色が強く、イノシシの毛並みを表してのことだと思います。写真では伝わりにくいですが、釉薬も相当の厚みがあります。

この置物の下部、足回りの写真です。顔の表情同様、手足のバランスも陶彫では大切です。こういった作品は当たり前ですが、原型が大切で、後工程の型おこしなどは息子の良孝さんが担当されていました。

裏側の景色です。汚れないように黒いシールが三ヶ所付けてあります。

その年の干支にちなんだ置物を飾ることは新年の縁起を祝うと共に幸を呼ぶと云われています。

最後にこのイノシシの置物を作った作者谷口正典先生の言葉を紹介させてください。
平成19年は丁亥で十二支の最後で勢いの強い歳です。
猪は多産で大勢の子供を産んで、親猪が子供をしっかり守り、決して行列を乱すことのない規律正しい動物であります。
今回は親が子供を守る姿勢を表現いたしました。座右に置いて頂けましたら幸甚に存じます。
陶歴
谷口正典
1954年 京都五条坂に生まれる
1976年 大阪芸術大学卒業
・工美展、関西展、京都入選、日展初出品初入選
1977年 市立工業試験場専攻科修了、陶芸家谷口良三に師事
1979年 工美展招待作品「尖」京都府買い上げ
・第一回日本新工芸展入選
1981年 中国研修旅行
1982年 全関西美術展、第二席受賞
・第4回日本新工芸展、読売テレビ放送賞受賞
1983年 第5回日本新工芸展、読売テレビ大阪本社賞受賞
・岡山明日香画廊にて二人展開催
1984年 第6回日本新工芸展、読売テレビ大阪本社賞受賞
1985年 全関西美術展、第二席受賞
1986年 京展あかね賞受賞、第12回箱根彫刻の森美術館
・明日を開く日本新工芸展奨励賞受賞、銀座三越にて初個展
・’86美濃国際陶芸展入選
1987年 京都府工芸美術作家協会展、奨励賞受賞
・第9回日本新工芸展、作品「水の調」、外務省買い上げ
1988年 第10回日本新工芸展、作品「濤」会長賞受賞
・日本新工芸オーストラリア展出品
1990年 京展あかね賞受賞、京都府工芸美術作家協会展
・府立文化芸術会館長賞受賞、銀座三越にて2回目個展
・高砂市、蕃画廊にて個展
1991年 日本新工芸展、京都市長賞
1992年 第14回日本新工芸展審査員
1994年 京都大丸個展
1995年 ぎゃらりい おくむら個展
1996年 第18回日本新工芸展審査委員 ギャルリー和田個展
・全関西審査員
1997年 京展あかね賞受賞
・第19回日本新工芸展、京都商工会議所会頭賞受賞
日展会友 日本新工芸展評議員
京都府工芸美術作家協会会員